Blastlineをリリースしました

Blastlineをリリースしました

こんにちは、ゆうです!

前回の記事で予告していたとおり、Defold Game Jam 2026に参加していたゲーム「Blastline」を、10月5日(月)にitch.ioとWavedashで公開しました。

Blastline

Blastline

吸血鬼の少女となり、導火線に群がるスマホゾンビを爆破しながら夜の街を駆け抜けよう。

今回は思い入れのある作品になったので、リリースのお知らせにしては少し長めですが、2週間の制作の流れをまとめておこうと思います。

どんなゲームか

主人公はヴァンパイアの少女。舞台は、スマホの画面から一度も顔を上げない「スマホゾンビ」がひしめく夜の街です。

彼女が走ると、足元から光る導火線が伸びていきます。ゾンビたちはその光に吸い寄せられ、線の上に群がって張り付きます。頃合いを見て着火すると、光の波が導火線を伝って走り、巻き込んだゾンビの数だけ爆発の範囲が膨らんでいきます。巻き込まれたゾンビは光になって消え、その生命エネルギーが彼女のものになります。

ただし彼女自身はとても非力です。群れに揉まれればあっという間に押しつぶされてしまいますし、自分で放った光に巻き込まれてもいけません。体力は少しずつ減っていくので、のんびり構えてもいられません。たくさん集めるほど大きく稼げますが、そのぶん逃げ道は狭くなっていく。この「欲張るか、引き際を見極めるか」がゲームの中心です。

ステージは8つの夜に分かれていて、それぞれの夜で星3つの評価を目指します。攻略の仕方にもよりますが、ひとつの夜は短ければ10秒ほど、長くても数分で終わるので、気軽に遊べると思います。

テーマから生まれたアイディア

js13kGamesで久しぶりに手応えを感じたこともあり、その勢いのまま次のジャムに出てみることにしました。それが今回のDefold Game Jam 2026です。前回の記事でも書いたとおり、Defoldを使うのはこれが初めてでした。

なので、テーマが発表される前の数時間は、Defoldのチュートリアルを触りながら、基本的な注意点をメモにまとめていました。作りたいものを決める前に、まずこのエンジンで何が作れるのかを調べていた、という順番です。

発表されたテーマは「Chain Reaction」。連鎖反応と聞くとパズルが真っ先に思い浮かびますし、実際に最初はパズルを作ろうと考えていました。ただ、ジャムでは遊ぶ人がひとつの作品にかけられる時間はほんのわずかです。最初の10秒で何をするゲームなのかを分かってもらうことを考えると、盤面のルールを読み解く必要があるパズルよりも、見下ろし視点でキャラクターを動かすゲームのほうが伝わりやすいはずです。そこでわかりやすさを優先することにして、ルールはほぼゼロから考え直しました。

いろいろなゲームを参考にしながら考えを巡らせて、行き着いたのが「自分は弱くても、敵を誘い込んで一掃する」という形です。大量の敵が押し寄せてくるタイプのゲームでは、普通は囲まれることが失敗の兆候です。でもこのゲームでは、敵が集まってくることが得であり、同時に害でもある。唯一の反撃手段が、そのまま唯一の脅威にもなる、という作りにしたいと考えました。

テーマ発表の翌日(9/21)には、見た目も世界観も入れず、丸と線だけで手触りを確かめる試作を1日で書き上げました。本番はDefoldで作り直す前提の、使い捨ての試作です。

ところが、遊んでみると正直あまり面白くありませんでした。線を引くことに何の代償もないので、とにかく走り回って、適当なところでボタンを押すだけになってしまう。そこに決断が生まれていなかったんです。そこで、動き回るだけで体力が少しずつ減り、スプリントすればさらに消耗するようにしました。かといって、起爆を遅らせて待てば待つほど群れは膨らみ、逃げ道は塞がっていきます。こうした代償を加え、自分の爆発に巻き込まれたときの罰をどこまで重くするかに悩みながら調整を重ねて、ようやく「もう少し引っ張りたいけど、そろそろ危ない」という迷いが生まれるところまで持っていけました。

核が動き始めるまでの6日間

舞台づくりと素材の苦戦(9/23〜9/25)

9/23からいよいよDefoldでの本番作りです。最初にやったのは、キャラクターを画面の真ん中に出すこと。そこから歩かせて、ゾンビを出して、ゾンビが湧く仕組みを作って……と、ひとつずつ組み立てていきました。

ここで一番苦戦したのがキャラクターの素材です。今回は8方向に歩くアニメーションを用意したかったのですが、どうしても思い通りの動きにならず、かなりの時間を費やしました。歩行スプライトは最後に差し替えるつもりだったのですが、結局、最初に仮で作ったものをそのまま使っています。少し歩行アニメーションがぎこちないのはこれが理由です。とはいえ、ここにこだわり続けていたら完成がどんどん遠のいていたので、切り上げたのはよい判断だったと思います。

夜の街のマップづくりにも手こずりました。本当は小物をいくつも作って、ビルが立ち並ぶ夜の街並みをもっと再現したかったのですが、ここにこだわっていると間に合わないと判断して、マップは必要最小限に絞っています。

見た目の壁(9/26〜9/27)

街ができたと思ったら、今度は斜め上から見下ろす視点にしたことで、キャラクターが地面に埋まって見えるという問題が起きました。これを解決するのに半日。そこからは、カメラの見せ方を調整したり、夜の暗さを表現したり、導火線の光り方を整えたりと、見た目の調整が続きます。特に導火線は、線が重なった部分だけ不自然に明るくなってしまうのを直すために、短い時間で何度も描き直しました。

核が動いた朝(9/28)

このゲームでは、画面に数百体のゾンビが同時に出てきます。それだけの数を出しても重くならないかどうかは、作り始める前からの不安でした。そこで9/27の深夜から9/28の未明まで、ゾンビをひたすら並べて動作の重さを測る検証を徹夜で行いました。開発に使っているPCでは問題なかったのですが、検証用の端末で試すと30fpsまで落ちてしまう。今回モバイルを対象にしなかったのは、これが理由です。とはいえ、この時点で深追いする余裕はなかったので、普段なら真っ先に手を付けるところを、あえて最終日まで残すことにしました。

そしてその検証を終えた直後の朝、「着火すると光の波が導火線を走る」というこのゲームの核がようやく動きました。ジャムの折り返し地点を過ぎてからのことです。それまでの1週間は、言ってしまえば舞台づくりと見た目の問題に追われていた期間でした。

その日のうちに、爆発の範囲の予告表示、自分が巻き込まれたかどうかの判定、体力の仕組みなどを一気に入れて、ようやくゲームらしくなってきました。

ゲームの形を整えた2日間

9/29はタイトル画面や設定画面など、ゲームの入口まわりを作った日です。そしてこの日の夜、ゲームに「Blastline」という名前を付けました。blast(爆発)とline(線)を組み合わせた造語で、導火線そのものを表しています。普段はゲームが完成する間際にタイトルを付けることが多いのですが、今回は折り返しの時点で決めてしまいました。途中で別のタイトルに変えたくなると、ロゴや画像を作り直すことになるので、本当はなるべく後に決めたほうが安全です。ただ、個人的にかなり気に入った名前だったので、途中で変えたくなるのではという心配は杞憂に終わりました。

9/30はUIの日。試作の段階では画面の表示を細かく決めていなかったので、回収ゲージ、体力、アイテム欄、勝ち負けの判定など、遊ぶ人が目にする部品を揃えながら、その配置を調整していきました。特に、連鎖が伸びるほど増えていくランプは、見せ方だけでなく仕様そのものが最終日まで固まらず、回収ゲージのアニメーションも入れられないままでした。やりたいことはまだあったのですが、ここもある程度で見切りをつけてよかったと思っています。

残り3日間

ここからが一番しんどかった時期です。残り時間は常に頭にあったのですが、この時点ではまだ、本当に完成するのかどうかが見えていませんでした。ずっと何かに追われているような気分で、今振り返っても、それまでの8日間よりこの3日間のほうがずっと重く感じます。

ステージ選択やリザルトの画面を作り始めたのですが、ほかのブラウザゲームの画面の流れを参考にしているうちに、作るべき画面がどんどん増えていき、終わりが見えなくなってしまいました。実際、10/1〜10/2の2日間は、ほぼ画面まわりだけで終わっています。

残りの作業を初めて書き出したのは、10/3に日付が変わった深夜0時。締切まで残り2日半になってからです。もっと早くやるべきでした。

ただ、書き出したことで腹は決まりました。この日は2週間で一番作業量の多い日になり、ステージごとの設定、星の評価、セーブ、連鎖の倍率などをまとめて入れています。BGMや爆発の素材を用意したのもこのあたりです。

もうひとつ、この時期に決めたのが「チュートリアルは絶対に入れる」ということでした。これまで作ってきた麻雀や花札のゲームには、チュートリアルを入れるという発想自体がありませんでした。でも今回のゲームは、敵を誘い込んで爆発させるという仕組みが、言葉だけではどうしても伝わりにくい。だからこそ、ここだけは手を抜けないと思っていました。

一方で、ちょっとした隠し要素も入れたいと考えていたのですが、この時点ではどう考えても時間が足りないので、一度は諦めていました。

最終日と明け方

チュートリアルに6時間半(10/4)

最終日は深夜、ゾンビを吸収したときの演出と音を仕上げるところから始まりました。

昼からは、いよいよチュートリアルです。主人公が会話しながら操作を教えてくれる形にしていて、移動と体力、ゾンビの集め方と回収ゲージ、着火と退避、連鎖の練習、そして本編への引き継ぎと、段階を踏んで進むように作りました。説明の途中でゾンビが割り込んできて主人公が慌てる、なんて場面も入れています。セリフで説明して終わりではなく、実際に手を動かしながら覚えられるようにしたかったんです。結果として、チュートリアルだけで約6時間半かかりました。

アイテムを外し、浮いた時間で(10/4 夜)

夜になって、アイテムを仕様から外す決断をしました。試作の段階では4種類のアイテムを考えていて、アイテム欄も4日前から画面に出ていたのですが、使えるところまで仕上げる時間がなく、ここは泣く泣くまるごとお蔵入りにしています。

当初の予定では、演出とチュートリアルにそれぞれ1日ずつかけるつもりでした。ところが、どちらも想定より早く仕上がり、アイテムを外したことでさらに少し時間が浮きました。とはいえ、この時点でもう22時です。それでも、チュートリアルで主人公と会話しながら遊ぶ流れを作ったからには、最後にもうひとつ仕掛けを置いておきたい。そこで浮いた時間を使って、一度は諦めていたイースターエッグを仕込みました。どうすれば見つかるかは、遊んでのお楽しみです。

その直後には、itch.io版とWavedash版をそれぞれ正しく動かすための対応も、わずか数分で片付きました。

3時間半のレベル調整(10/5 明け方)

残る大仕事がレベル調整です。一番面倒なものを最後に回していたので、ここからは時間との勝負でした。

調整したのは主に、マップの広さ、ゾンビの数、ゾンビが導火線の光に引き寄せられる距離、そしてこちらに襲いかかってくるゾンビの割合です。ステージが進むほど、光が届く距離は短くなり、襲ってくるゾンビは増えていきます。序盤は立ち止まって待っていれば勝手に集まってきますが、後半は自分から線を伸ばして集めに行かないといけません。そのぶん、導火線を長く保つのがどんどん難しくなっていく、という作りです。

9/28に後回しにしていた重さの問題も、ここで片が付きました。同時に出すゾンビの数をかなり抑えたところ、検証用の端末でも60fpsが出るようになったんです。不具合ではなく、レベル調整の問題だったわけです。とはいえ、モバイルまで気にかける余裕はそもそもなかったので、最初に切り捨てたまま対象外として残しています。

最終的には明け方まで粘れました。最後のステージだけは自分でも星3つに少し届かなかったものの、それ以外のすべてのステージで星3つが取れることを確認して、ようやく提出です。

ちなみに、締切の8時間前には41作品だったエントリーが、最終的には自分を含めて78作品になっていました。最後の数時間で倍近くです。みんなギリギリまで粘っていたんだなと思うと、少し心強かったです。

最後に

初めてのDefoldで2週間走り切って、チュートリアルからおまけの仕掛けまで入ったゲームを出せたことは、素直に嬉しく思っています。もちろん、Wavedash版はフルスクリーンやミュートの切り替えまで手が回らなかったなど、反省点もいくつかあります。

ジャムの結果は10/11に発表されます。結果といただいたフィードバック、そして反省点については、来週の記事でまとめて振り返る予定です。

もし興味を持っていただけたら、ぜひ実際に遊んでみてください! そして、よければXなどで感想を教えてもらえると嬉しいです!

この投稿に登場する作品

Blastline

Blastline

吸血鬼の少女となり、導火線に群がるスマホゾンビを爆破しながら夜の街を駆け抜けよう。